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手作りパンの材料について

小麦粉類、 その他の粉類、 油脂類、 塩と水、 糖類、 卵・乳製品類、 酵母類、 ドライフルーツとナッツ類、 チョコレート類、 香料その他についての成分や使い方、保存法などのページです。

小麦粉

小麦の胚乳を挽いた粉。

日本では通常、小麦粉に含まれるタンパク質の多い順に、最強力粉、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉と分類されます。( 小麦粉に含まれる灰分により「等級」に分類する方法もあります。)

主原料の小麦は、カナダ、アメリカ、オーストラリアなどから輸入されていますが、香りのよい純国産のものも流通しています。

( Wheat Flour )

小麦粉のタンパク質は、水を加えてこねたり、たたいたりすることによって、弾力性のあるグルテンという組織を作ります。このグルテンの膜がパンの「骨格」を形成し、酵母が出すガスを生地の中に閉じ込めることで、ふっくらとしたパンの形が形成されます。

通常グルテンが強い程、生地の給水量が増し、こねる時間も長くなりますが、それによりボリュームのあるパンに仕上がります。

最強力粉

タンパク質の含有量が最も多い ( 通常約 13.5〜14% ) 小麦粉。

山食パンの様な特にボリュームのあるパンに使用したり、ライ麦粉で作るパンの生地などに加えてグルテンを強化するのに用います。

( High Gluten Flour )

グルテンについての詳細は Crumb and Crust のページをご覧ください。

強力粉

グルテンのもとである小麦タンパク質を多く ( 通常約 11.5〜13.5% 程度 ) 含む小麦粉。

スーパーで売られている食パンなど、市販されているパンの多くがこのタイプの粉を主に使用しています。

( Hard Flour)

国産の小麦だけで作られた強力粉は粉の産地や収穫時、粉それぞれの特徴などにより吸水率も異なりますが、一般に輸入の小麦を使用した強力粉よりも吸水率が低く、ボリュームも出にくいとされています。

独特の豊かな風味が人気ですが、生産量が少ないことから、一般的な輸入小麦で作られた粉よりも値段が高めのものが多いようです。

準強力粉

タンパク質の含有量が、強力粉と中力粉の中間程度 ( 通常約 10〜12% 程度 ) 含まれている小麦粉。

形成されるグルテンの量が多く、グルテンの質がよく強いものが多いのが特徴です。

( French Bread Flour )

バゲットなどのハード系のフランスパンを作るのに適しています。商品によっては 「フランスパン専用」などの説明も記載されています。

中力粉

小麦タンパク質の含有量が、強力粉と薄力粉の中間程度 ( 通常約 10〜12% 程度 ) 含まれている小麦粉。

グルテンの量、質も中間程度です。

( All-purposeFlour )

欧米では小麦粉の用途も日本とは違い、分類の仕方も呼び方も様々ですが、欧米の All-purpose Flour に最も近いタイプの小麦粉です。

海外のレシピ本によく見られるソーダブレッドなどに使用されることの多い Self-Raising Flour は 中力粉 に 2% 程度のベーキングパウダーを混ぜることで代用することができます。

薄力粉

タンパク質の含有量が最も少ない ( 通常約 10.5% 以下 ) 小麦粉。

ケーキや焼き菓子、料理などに広く使用されます。

( Soft Flour )

ケーキの生地や天ぷらの衣など、広く一般的な小麦粉です。スポンジケーキや天ぷらの衣を作る際に 「サックリと」混ぜるのは、グルテンの粘り気を出さないようにするためです。

全粒粉

小麦粉を胚芽やふすま ( 外皮の部分 )ごと挽いた粉。

香りがよく、食物繊維やミネラルを含みます。きめの細かさにより、粗挽き、中挽き、細挽きなどがあり、製パン用、製菓用と分類されているもの、グラハム粉と記載されている商品もあります。

( Whole-Wheat Flour )

全粒粉には胚芽の油分が含まれているため、通常の小麦粉よりも酸化、品質低下し易いので、必要な分をその都度購入し、購入後は冷蔵庫に保存し、できるだけ早く使い切ることをおすすめします。

ライ麦粉

ライ麦を挽いた粉。

強力粉と同程度のタンパク質を含みますが、グルテンの組織を形成しません。日本で市販されているライ麦粉は、外皮ごと挽いた全粒粉タイプが主流で、きめの細かさにより、粗挽き、中挽き、細挽きなどが市販されています。

( Rye Flour )

ライ麦粉はベタベタとした生地になりやすく、グルテンを形成しないため、固く膨らみの悪いパンになる傾向があります。ライ麦パンを焼く際には、最強力粉などと混ぜて使用すると、ライ麦の独特の風味をを活かしながらも、ふっくらとして歯ごたえの良いパンに仕上がります。

デュラム粉

デュラム小麦の胚乳を挽いた粉。

粒度により種類があり、日本で市販されているタイプは 「デュラムセモリナ粉」という細挽きのタイプ。タンパク質とグルテンの量が多い割に、グルテンの質が柔軟なのが特徴です。パスタなどの原料として使用されます。

( Semolina Flour )

グルテンを形成しにくい性質を利用して、手粉 ( 打ち粉 ) として使用されることもあります。

コーンスターチ

とうもろこしの穀粒から作るでんぷん。

( Cornstarch )

一度糊化すると、温度による粘度や固さの変化が少ないことから、お菓子やソースの材料として使用されます。

コーンフラワー

乾燥させたとうもろこしの玄穀の胚乳部を挽き割りにした微細粉。

( Corn Flour / Finely Ground Cornmeal )

メキシコのパンの一種、トルティーヤに使用されるのがコーンフラワー。トルティーヤを家庭で作るのに便利なミックス粉なども市販されています。

コーンミール

乾燥させたとうもろこしの玄穀をそのまま粉砕した粉。

胚芽に油分が多く酸化しやすいことから、胚芽部を除去したものもあります。

( Cornmeal )

粗挽きのものはコーングリッツとも呼ばれ、パン生地などに少量を加えると、粒の粗さが独特の食感を生み出します。

アーモンドパウダー

アーモンドを粉末状にしたもの。日本ではアーモンドプードル ( poudre はフランス語。英語でいう powder のこと ) と呼ぶこともあります。

( Almond Powder )

アーモンドオイルが含まれているため酸化しやすいので、開封後は冷蔵庫に保存し、できるだけ早く使い切ることをおすすめします。

マドレーヌなどの焼き菓子によく使用されます。小麦アレルギーのある方のために、小麦粉の代わりにアーモンドパウダーや米粉を使用して焼き菓子やパンを作ることもあります。

グルテンパウダー

グルテンのもととなる小麦タンパク質を粉末にしたもの。ライ麦粉や全粒粉などを多く配合するパンなどのグルテン強化に用います。

( Wheat Gluten Powder )

パン生地に使用する際には、材料の小麦粉の2パーセント程度が配合の目安で、他の粉類と一緒によくふるい混ぜます。仕込み水の量も同様に2%増やします。

モルトパウダー

麦芽糖を煮出して作る水飴状のモルトシロップ、発芽大麦を乾燥、粉砕、精製したモルトパウダーがあります。パン生地に加えることで、発酵を促し、焼き色をよくし、パンの老化を遅らせる効果があります。

( Malt Powder )

パン生地に含まれるイーストを活性化し、発酵を促進する作用があります。粉に対して0.3〜0.5% 程度の添加でよく、加え過ぎると生地がべたついて作業しずらくなります。

ベーキングパウダー

重曹を主に、重曹のガス発生を促進または調整する成分 ( 酒石酸やミョウバンなど ) を配合した膨張剤。

手軽に作れるソーダブレッドやマフィンなどの焼き菓子に使用されます。

( Baking Powder )

ベーキングパウダーは生地の中に含まれる水に溶けると炭酸ガスを発生し、このガスが加熱されることにより生地を膨らませます。湿気を嫌うので、密封容器に入れて冷暗所で保存します。

ミョウバンに含まれるアルミニウムの摂取が人体に悪影響を及ぼす恐れがあることから、近年ではアルミニウムフリーのタイプも販売されています。

バター

牛乳中の乳脂肪を凝集させて固めたもの。発酵バターと未発酵バターとがあり、それぞれに有塩(食塩を1〜2% 添加したもの)と無塩のタイプがあります。

( Butter )

劣化し易いので、空気、湿度、光による劣化を防ぐには、アルミホイル等で密封し、冷蔵庫のチルド室など、5℃以下の冷暗所に保存するのがおすすめ。他の食材の匂いが移るのも防いでくれます。

一度液状に溶けてしまったバターは、もとの状態の特性がなくなっているので、溶かしバターとして使用したり、加熱調理して早めに使い切ります。

発酵バター

乳酸菌でクリームを発酵して作ったバター。

特有の風味や香りが魅力ですが、未発酵バターよりも保存性に劣ります。

( Cultured Butter )

日本では余り見かけない発酵バターですが、日本よりバターの消費量が多いヨーロッパでは、一般にこちらのタイプが市販されています。

未発酵バター

日本で家庭用に市販されているバター。

原料は殺菌乳のクリームで、食塩を1〜2% 添加した有塩バターと、製菓・製パンなどに用いられる無塩バターがあります。無塩バターは有塩バターよりも保存性に劣ります。

( Sweet Cream Butter )

バターを加熱溶解すると、3つの層に分離します。一番上に気泡を含む軽い成分が浮き、底の方にはタンパク質や糖質などの水溶性の成分が沈みます。その中間の色の澄んだ液体が「澄ましバター」と呼ばれる、不純物の少ない乳脂肪分です。シュトレンなどの焼き菓子のコーティングなど、製菓、製パンに広く使用されます。

ショートニング

動植物性油脂に硬化油(液状油に水素を添加して固形油に変えたもの)を加えて作られた固形油脂。

香味成分が無添加なので、バターの風味を嫌うパンなどに使用します。

( Shortening )

液状油を硬化する際に発生するトランス脂肪酸の多量摂取による人体への悪影響から、近年ではトランスファットフリーのショートニングも販売されています。

また最近では、オーガニックのショートニングも製菓材料店などで市販されています。

オリーブオイル

オリーブの果肉から搾油した油。オレイン酸を多く含み、ポリフェノールなど酸化防止作用のある成分を多く含みます。

一番搾りの無添加のオリーブオイルの中でも高温加熱処理がされていない、酸度が 0.8% 以下のものをエキストラバージン・オリーブオイルと呼び、オリーブオイルの中でも特に味と香りが優れています。

( Olive Oil )

オリーブオイルに限らず、油脂製品は酸化し易いのが特徴。家庭用には、小さめのボトルを選び、一度開けたらできるだけ涼しいところに保管し、早めに使い切るのが美味しさを保つコツです。

ピッツァなどの生地に混ぜて焼いたり、火を通す料理に使用するものはピュア・オリーブオイルを使用します。パンに直接付けて頂くときには、酸度の低い品質や香りの高いものやオーガニックのもの、原産地呼称制度のマークのあるものなどを目安に選ぶのもおすすめです。

グレープシードオイル

葡萄の種から搾油した油。クセのない軽いナッツのような風味があります。

( Grape Seed Oil )

クセのない風味はヴィネグレットソースやマヨネーズなどのソース作りにおすすめです。またパン作りには、生地に混ぜるだけでなく、バターの代わりに焼き型に塗って使用するのもおすすめです。

塩化ナトリウムを主成分とする食用の塩のこと。

精製塩、自然塩などの製法による分類がある他、海塩、岩塩など原料により様々な種類などがあります。

( Salt )

パンづくりでの塩の役目は、発酵を抑制して生地の発酵時間を調整すること。これによりパンの味わいが深まります。またグルテンの組織を安定させて引き締め、生地のコシを強くする、焼き色を良くするなどがあります。

パン生地に混ぜる塩は、できるだけ粒子が細かい湿気を帯びていないものを選びます。味のムラを防ぐために、フライパンなどで煎ってからふるいにかけ、サラサラの状態にしてから使用するのもおすすめです。

パンづくりに使用する水は、軟水は不向きとされ、硬水または双方の中間くらいが良いといいます。また、アルカリ性の水は発酵の妨げとなり、グルテン組織を弛緩するため、パンづくりには弱酸性の水を使用するとよいとされます。

パンの仕込み水 ( 生地に混ぜる水 ) は、粉の温度、室温などを考慮して温度設定をします。

( Water )

パンの種類によりますが、生地のこね上がりの温度は 20〜30℃ の範囲、酵母が活性化する温度が理想です。イーストは 40℃ を超えると急激に活性が低下するため、水の温度の上限は 40℃ になります。

水温設定の方法などについては、Crumb and Crust のページをご覧ください。

グラニュー糖

砂糖の成分である蔗糖のみを取り出して精製した分蜜糖分の一種。

さらさらとして淡白な甘みが特徴の精製糖です。製菓用のものには通常のものよりもさらに粒子を細かくしたタイプがあり、生地を作るときに解け易く、他の材料とも混じりやすくなっています。

( Granuated Sugar )

一般に砂糖、水飴、はちみつなどの甘味料は卵を泡立てるときに泡を安定させ、パンや焼き菓子に加えると焼き色や舌触りをよくする働きがあります。

焼き菓子には上白糖を使用することもありますが、グラニュー糖を使った方が焼き上がりが軽く、ジャムなどは上白糖を使用するよりもあっさりと上品な甘さに仕上がります。

上白糖

日本で最もよく使用される精製糖で、砂糖の成分である蔗糖のみを取り出して精製した分蜜糖分の一種。

グラニュー糖よりも湿気を吸いやすく、固まりやすいのが特徴です。

( Rdfined White Sugar )

湿気を吸いやすいので、パンづくりには、必ずよくふるいでふるってサラサラの状態にしてから使用します。焼き菓子などはグラニュー糖の場合よりも少ししっとりめに焼き上がり、甘みもやや強く感じられます。

黒砂糖

サトウキビの絞り汁をそのまま煮詰めた黒褐色のかたまり、またはそれをパウダー状にしたもの。

蔗糖だけでなく、糖蜜も共に精製されるため、濃厚な甘さと強い風味があり、ミネラル成分を多く含みます。

( Brown Suagr )

固いダマになりやすいので、パンづくりには、必ずよくふるいでふるってサラサラの状態にしてから使用します。

同じ風味を持つダークラムやレーズンとの相性も抜群です。

カソナード ( カソナッド )

フランスの砂糖の一種。サトウキビの絞り汁をそのまま煮詰めた赤褐色のかたまり、またはそれをパウダー状にしたもの。

蔗糖だけでなく、糖蜜も共に精製されるため、独特な甘さと強い風味があり、ミネラル成分を多く含みます。

( French Brown Sugar / Cassonade )

湿気を吸いやすいので、パンづくりには、必ずよくふるいでふるってサラサラの状態にしてから使用します。

フランスのパン菓子パン・デピス ( ジンジャーパンの一種 ) のように、アニスやクローブなどを入れた生地とよく合います。

バニラシュガー

グラニュー糖に天然バニラの香りを移したもの。

( Vanilla Sugar)

上質なバニラのさやをグラニュー糖と共に密閉容器に一晩入れておくと、簡単にバニラシュガーを作ることができます。

また生クリームにバニラシュガーを加えてホイップすれば、バニラクリームになります。

シナモンシュガー

グラニュー糖とシナモンパウダーを混合したもの。

( Cinnamon Sugar)

グラニュー糖を 200g とシナモンパウダーを 50g を口の大きめの瓶などに入れてよく混ぜ、さらにシナモンスティックを入れて密閉しておけば、簡単にシナモンシュガーを作ることができます。

あられ糖

あられのような大小不揃いの粒状のグラニュー糖。

( Nib Sugar )

あられ糖には、一般的な「あられ状」の形のタイプだけでなく、メーカーによっては加熱しても解けにくいように特殊製法によって作られたものもあります。

湿気を嫌うので、開封後は乾燥剤などと一緒に密封容器に入れ、冷暗所で保存します。

粉糖

粉状の砂糖。パンやお菓子の飾り用に溶けにくく加工されたもの、コーンスターチやオリゴ糖などを加えて固まりにくくしたものなど、様々な商品があります。

( Icing Sugar )

アイシングとして使用する場合は、なるべく混ぜ物のない純粋な粉糖を選びます。不純物の少ないタイプは、開封したら一度で使い切ります。

蜂蜜

ミツバチが花から集めた蜜を採集したもの。花の種類により色、香り、風味が異なります。

( Honey )

蜂蜜や水飴はロールケーキの生地に少量加えるとケーキをしっとりと巻き易くする働きがあります。また、焼き色をより褐色にする効果もあります。

メープルシロップ

砂糖楓をはじめとするカエデの樹液を煮詰めたもの。

コクのある風味と甘みが特徴です。原産国はカナダで、エキストラ・ライト、ライト、ミディアムなどの等級に分類され、色の薄い方から高級とされます。

( Maple Syrup)

メープルシュガーはメープルシロップを濃縮した固形のものです。

水飴

でん粉を原料に作られる糖類の一種。水分を15〜25% 程含み、甘味度は砂糖の半分以下程度です。

欧米では主にコーンスターチを原料でん粉としていることから、英語ではコーンシロップといいます。

( Starch Syrup )

水飴や蜂蜜はロールケーキの生地に少量加えるとケーキをしっとりと巻き易くする働きがあります。

タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素を多く含むことから「完全食品」とも呼ばれます。特にタンパク質にはアミノ酸がバランスよく含まれています。

日本で市販されているMサイズの卵は、正味50g程度、その内卵黄が20g、卵白が30g程度になります。

( Egg )

食パンなどの「つや出し」に塗る卵液は、卵白のどろりとした状態をよく解きほぐしてから水を混ぜると、さらさらとして塗り易くなります。卵1個に対して水大さじ1程度を混ぜます。

卵黄

卵の全ての脂質とコレステロールを多含み、全卵のほぼ半分のタンパク質を含みます。

油と水分を乳化 ( 油膜が水の細かい分子を包み込む ) させる性質があるレシチンを含みます。

( Egg Yolk )

卵黄に含まれるレシチンの乳化作用は、油分と水分などを良い状態に混ぜ合わせる働きがあり、この特性を活かしたのがマヨネーズです。このレシチンは、焼き上がったパンの老化を送らせる働きもあります。

また卵黄は卵白よりも低温で凝固します。この性質を利用したのがおなじみの温泉卵です。

卵白

主成分は水とタンパク質。気泡性があるため、泡立てて空気を入れることによってきめ細かなメレンゲなどを作ります。

( Egg White )

ブリオッシュなど卵を多く生地に混ぜ込むパンは、卵白に含まれるタンパク質の熱凝固により、焼き上がったパンの食感がパサパサすることがあります。このため卵白の代わりに同量の水を加えて作ることもあります。

牛乳

殺菌された牛の乳。脂肪、タンパク質を含み、特にカルシウム、ビタミンAやB2を多く含むため、完全栄養食品とも呼ばれます。

( Milk )

牛乳には固形分が1割程度含まれています。このため、パンの材料として、水の代わりに牛乳を使用するときは、レシピの水の分量よりも1割程度多く牛乳を加えます。

粉乳

市販されているものは、生乳または牛乳などの乳脂肪を除去したものを粉末状にしたもの。商品名としてスキムミルクとも呼ばれます。

( Milk Powder )

牛乳成分を加える方法として、パン生地に加えられることも多い粉乳ですが、水分を吸収すると固まってダマになりやすくなります。パンづくりに使用する際には、作業開始の直前に、他の粉類と一緒にふるいにかけておくのがおすすめです。粉乳だけがダマになって、生地にムラができるのを防ぐことができます。

コンデンスミルク

牛乳または脱脂乳をそのまま濃縮した無糖練乳(エバミルク)と、砂糖を加えて濃縮した加糖練乳(コンデンスミルク)があります。

( Evaporated Milk / Condensed Milk )

かき氷やイチゴとの相性でも知られるコンデンスミルク。いつまでも冷蔵庫に置いてしまいそうな食材ですが、開封したら冷暗所に保存して、2週間以内には使い切るようにしましょう。

サワークリーム

生クリームを乳酸発酵させたもの。

( Sour Cream )

クミンパウダーと塩、コショウを加えて混ぜると、パンやじゃがいもと相性のよいペーストに変身します。

ヨーグルト

牛乳または脱脂乳などの原料乳を乳酸発酵させたもの。

プレーンタイプの無糖、加糖、脱脂したものなどがあります。 通常の無糖全脂タイプの水分含有量は約 88% で、牛乳同様にカルシウムを多く含みます。

( Yogurt )

チーズケーキなどに使用するサワークリームは、水気を十分に取り除いたヨーグルトで代用することもできます。

目の細かいストレーナーにガーゼなどを敷いて、その中に全乳タイプのヨーグルトを入れます。落ちてくる水分を受けるボウルなどを下に置いて、一晩冷蔵庫に入れておきます。お菓子に使うのはざるに残ったクリームの方ですが、ボウルにたまった水分はホエイと言い、ラクトフェリンなどの生理機能性の高い成分を豊富に含み、身体によい働きをします。蜂蜜などを加えて飲むのがおすすめです。

生クリーム

牛乳から作られるクリーム。日本で家庭用として市販されているものは、乳脂肪分が 35〜38% のタイプと 45〜48% の2種類です。

脂肪分が多いタイプの方がしっかりと形を保つため、ホイップクリームなどにはこちらがおすすめです。

( Fresh Cream )

振動によって分離する性質のある生クリーム。購入したら保冷剤と一緒に保冷袋等に入れて静かに持ち帰り、帰宅したら直ぐに10℃以下の冷蔵庫で保存するようにします。

チーズ

乳を乳酸発酵させてホエイを取り除いて固めたもの。

原料乳の種類や、製造方法、熟成期間などにより、様々な種類があります。

( Cheese )

パンとチーズの組み合わせは数えられないくらいに素敵なものが沢山あります。

その中でもすぐにできるおつまみが、パン・ド・カンパーニュにブルーチーズをのせて蜂蜜をかけたもの。バゲットと白カビチーズ ( ブリーやカマンベールなど ) 熟した甘い果物の組み合わせは、チーズ初心者にもおすすめです。

イースト

酵母の一種であるサッカロミセス・シルヴィシェ(Saccharomyces Cerevisiae)を純培養したもの。

適温は 28〜32℃ 程度であり、4℃以下または 40℃以上になると活性が低下し、60℃以上になると死滅する。 市販されているものには、製法により生イースト、ドライイースト、インスタント ドライイーストなどがある。

( Yeast )

生イーストの代わりにドライイーストを使用する場合は、生イーストの半分 ( 重さの 50% ) の量を使用します。インスタント ドライイーストの場合は、生イーストの重さの 40% に相当する量を使用します。

これらの割合は、パン捏ね機を使用する場合には、摩擦熱などが生じるために生地の温度が高くなることから、手捏ねの分量よりも若干少なくなります。

生イースト

イーストを純粋培養した生の状態のもの。

ほとんどのタイプは全てのパンに使用できますが、商品によっては砂糖の配合の多いものには向かないものもあります。パンづくりに使用する際には、直接仕込み水に混ぜて使用します。

( Fresh Yeast )

開封後は生イーストの表面が乾かないようにアルミホイルで包んで密封容器等に入れ、4℃以下の冷暗所で保存します。一度開封したものは2週間以内に使い切ります。家庭でのパン作りにはインスタント ドライイーストの方が扱いやすいでしょう。

ドライイースト

生イーストを乾燥させた粒状のもので、6 〜 8% の水分を含む。砂糖の配合料の少ないリーンな硬焼きパンに向く。

製パンに使用する際には、粉類と混ぜる前にあらかじめ予備発酵(ドライイーストと砂糖を 38〜40℃ 程度のお湯に入れて5分程度置く)を行います。

( Dry Yeast )

生イーストの方がドライイーストよりも香りがよい、味がよくなる、ということはありません。正しい分量を使用すれば、ドライイーストでも生イーストと同じ香りのよいパンを作ることができます。

発酵時間を短くしたいために、無理な分量を入れたり、温度設定を必要以上に高くせずに、ていねいにこねて十分に発酵させることが大切です。

インスタント ドライイースト

生イーストを乾燥させた、茶色の顆粒状のイースト。

無糖生地用と加糖生地用 の ( 耐糖性の高い )タイプがあり、直接粉に混ぜて使用することができます。ドライイーストより香りに劣るとされますが、酸素活性力、発酵力が強く、正しく扱えば香りもほとんどかわりありません。

( Instant Dry Yeast )

ドライイーストやインスタント ドライイーストは、密封した状態で冷蔵庫に保存すれば、半年〜2年は活性を落とさずに保存することができます。

天然酵母

穀物や野菜、果実の皮などに付着したイースト菌その他の不特定多数の細菌類を雑多に培養した発酵種のこと。

「天然」とされるのは、イースト菌のみを工業商品として純粋培養したイースト菌商品に対しての言葉。種継ぎ ( 酵母菌の数を減らしてはとなる小麦粉と水を加えて活性化させる ) を繰り返すことで酵母菌が強くなり、より安定した発酵種になります。

( Leaven )

天然酵母のパンは、イーストに比べて発酵力が弱く、その分じっくりと低温で何時間 ( または何日も ) かけて発酵させるため、独特の風味があります。

家庭のキッチンではなかなかむずかしい作業ですが、イーストでも少量を使用してゆっくりと低温で時間をかけて発酵させた生地で作られたパンには、しっかりとした風味と味わいがあります。

レーズン

ブドウを乾燥させたもの。表面をオイルでコーティングしたものとしていないものがあります。

甘い風味や独特の食感が焼き菓子やパンと相性がよく、レーズン入りのカンパーニュなどはブルーチーズの塩味とよく合います。

( raisin )

家庭で作るパン生地に、レーズンなどのドライフルーツを混ぜる場合は、生地の重量の 20% くらいが失敗も少なく取り扱い易いようです。多く入れ過ぎると小麦の風味が引き立たなくなり、グルテンの膜を壊してしまい、パンが膨らまなくなる原因にもなります。

固めのものは、一晩ラム酒などに浸してやわらかくしてから、水分をペーパータオルなどで取り除いて使用します。生地に混ぜる際には、あらかじめ少量の小麦粉などをまぶしておくと、生地の下へ沈み込むのを防いでくれます。

カレンズ ( カランズ )

野ブドウを乾燥させたもの。

通常のレーズンよりも粒が小さく、やや酸味が強いのが特徴です。

( Dried Currant )

果実の皮ごと乾燥させたドライフルーツは、食物繊維が豊富で、抗酸化成分やカルシウムを多く含むものなどもあり、栄養豊な食材です。 パンづくりやお菓子に加えるだけでなく、余ったらサラダに混ぜたり、水で戻してペースト状にして、肉料理のソースに加えるのもおすすめです。

サルタナレーズン

サルタナ種という薄緑色のブドウを乾燥させたもの。

皮が薄くてやわらかく、酸味よりやや甘味が強いのが特徴です。

( Dried Sultana Raisin )

固めのものは、一晩白ワインなどに浸してやわらかくしてから、水分をペーパータオルなどで取り除いて使用すると風味が増します。生地に混ぜる際には、あらかじめ少量の小麦粉などをまぶしておくと、生地の下へ沈み込むのを防いでくれます。

ドライフィグ ( 干しいちじく )

イチジクを乾燥させたもの。

( Dried Fig )

甘い風味と、小さな種の食感が焼き菓子やパンと相性がよく、そのまま刻んで生地に混ぜたり、ペースト状にして混ぜても美味しく仕上がります。

ドライクランベリー

クランベリーを乾燥させたもの。

赤色が鮮やかで、皮にやや渋みがあります。

( Dried Cranberry )

やわらかいものが多いので、水に戻したりせずにそのまま生地に混ぜます。生地に混ぜる際には、あらかじめ少量の小麦粉などをまぶしておくと、生地の下へ沈み込むのを防いでくれます。

ドライブルーベリー

ブルーベリーを乾燥させたもの。

( Dried Blueberry )

粒が小さいのでそのままシリアルに混ぜても美味しく、パンや焼き菓子、特にチーズケーキとの相性が抜群です。残念ながら日本では他のドライフルーツに比べてお値段が高めになっています。

オートミール

カラス麦(オーツ麦とも呼ぶ)を押しつぶした麦、または粗く挽いたもの。

クッキーやパン生地に混ぜたり、表面にまぶしたりすると香ばしさが増します。

( Oatmeal )

パンやクッキーだけでなく、お米に少量のオートミールを混ぜて炊き込みご飯にしても、ぷちぷちとした食感が美味しく頂けます。

ウォルナッツ ( くるみ )

くるみの実。

製菓用のものは殻を取り除いて生の状態で市販されているので、ローストしてから使用します。

( Walnut )

ナッツ類をパン生地やケーキなどに加えるときは 180℃ のオーブンで10〜15分程度焼いて冷ましたものを使用します。また生地に混ぜる際には、あらかじめ少量の小麦粉などをまぶしておくと、生地の下へ沈み込むのを防いでくれます。

ヘーゼルナッツ

西洋はしばみの実。

バニラやチョコレートとの相性がよく、焼き菓子に混ぜると香ばしさと食感が増します。

( Hazelnut )

ナッツ類は栄養価の高い食品ですが、酸化し易いので、まとめ買いして長く保管せずに、製菓材料店などから、使う分量をその都度購入するのがおすすめです。

キャラウェイシード

ヒメウイキョウというセリ科の食物の種。やわらかな味とほのかに苦い甘みが特徴です。

ライ麦を混ぜたパン生地との相性が抜群です。

( Caraway Seed )

ライ麦パンの材料として知られるキャラウェイシードは、ソーセージやザワークラウトなどのドイツ料理や、フランスのアルザス地方のチーズ、マンステールなどとも相性の良いスパイスです。また肉類のマリネに加えててもおいしくいただけます。

ポピーシード

ケシの実を煎ったもので、薄黄色のクリームイエローシードと濃灰色のブルーグレーシードがあります。

ハンバーガーのバンズやベーグルなど、パンの表面にトッピングして使用します。

( Poppy Seed )

日本のあんぱんの表面に必ずといってよい程に飾られているポピーシード。ドイツのパンには、練りごまのようにペースト状にしたものを生地に巻き込んで使用することもあります。

アニスシード

セリ科の植物の種。

キャラウェイの仲間で、ほのかな甘みと、甘い香りが特徴です。

( Anis Seed )

ケーキやビスケットなどの焼き菓子の風味付けに広く使用され、イタリアのお祝いのパン、パネトーネに使用されることもあります。ドライフィグと相性がよいので一緒にパン生地に加えるのもおすすめです。

ごま

ゴマ科の植物の種。白ごま、黒ごま、金ゴマなどの種類があります。

パンやクッキーなどにトッピングとして用いる他、生地に直接まぜて使用します。

( Sesame )

ペースト状のものはバターの代わりに生地に混ぜたり、トーストしたパンに塗るのもおすすめです。

バニラ

ラン科の植物であるバニラのさやを乾燥させたもの。

バニラ独特の甘い風味は乳製品との相性が抜群なことで知られています。

( Vanilla )

天然のさやの他、エッセンス、エキストラクト、オイルなどの商品があり、用途に合わせて使用します。

ジンジャー

ショウガの根。乾燥させたもの、砂糖漬けにしたタイプ、粉末のタイプなどがあります。

清涼感のある甘い香りと、ぴりっとした刺激のある味が特徴で、少量でも風味が強い。

( Ginger )

日本ではお料理に使うのが一般的な使用方法ですが、欧米ではケーキやビスケットなどの香り付けに使用したり、シロップ漬けの甘いタイプもあります。

ココアパウダー

カカオマス ( カカオの種であるカカオ豆を発酵、乾燥させ、焙煎し、外皮と胚芽を取り除いてすり潰してペースト状にしたもの ) からカカオバターを搾り取った後の残りを粉末状にしたもの。

( Cocoa )

製パン、製菓には砂糖などを添加していない、カカオ豆100%の純ココアタイプを使用します。

チョコレート

カカオマスにカカオバター、砂糖などを加えて練り上げたもの。

通常市販されているものと、製菓用に開発されたクーベルテュールと呼ばれるものがあります。どちらもスイートチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートなどの種類があります。

( Chocolate )

クーベルテュールは溶かしたときののびが滑らかで、仕上がりのつやもよく、何よりもカカオの豊かな香りが特徴です。メーカーによってカカオ分と砂糖の割合、カカオ豆の種類なども様々で、選ぶのに迷うこともありますが、 パンづくりや焼き菓子に使用する場合は、カカオ分が55%くらいの標準的なものから試してみるとよいでしょう。

スイートチョコレート

カカオマス、カカオバターに砂糖と香料、乳化剤を加えたもの。

カカオ分が多くなる色が濃く、苦みが強くなります。ビターチョコレート、ダークチョコレートなどとも呼ばれます。

( Dark Chocolate )

チョコレートは湿度の低い15〜18℃ の冷暗所に保存するのが理想。冷蔵庫から取り出したときの気温変化による結露も嫌います。結露を防ぐには、冷蔵庫から取り出してから室温に戻るまで部屋の暖かいところに置いておき、室温に戻ってから包装を取り除きます。

また酸化し易い食材でもあるので、まとめ買いして冷蔵庫で長く保管せずに、使う分量をその都度買うのがおすすめです。

ミルクチョコレート

スイートチョコレートに粉乳などを加えたもの。

( Milk Chocolate )

製菓用のチョコレートには、加熱によって溶けにくい加工がされた小さなチップ状のタイプがあり、パン生地やマフィンなどに手軽に使用できて便利です。

ホワイトチョコレート

カカオバターに砂糖、粉乳などを加えたもの。

( White Chocolate )

チーズやレモンの風味とも相性がよい素材です。

レモンオイル

レモンの皮から抽出される精油を主体とした油溶性の香料。

パンや焼き菓子の香り付けに使用します。

( Lemon Oil )

「レモンの皮をすりおろして」というレシピなどで、レモンの皮の風味の代わりに数滴を生地に混ぜて使用します。

一度開けたら冷暗所に保管し、早めに使いきるようにします。

バニラエキストラクト

バニラビーンズから抽出された抽出液のみを使用した液状の香料。

( Vanilla Extract )

乾燥したバニラビーンズは、海外の料理本のレシピにはよく登場しますが、日本では状態のよいものが手に入りにくく、お値段もお高め。家庭で製菓製パンには抽出液を加工したもの、エッセンスやオイルなどを用途に合わせて上手に使用するのがおすすめです。

バニラエッセンス

バニラビーンズから抽出、または化学的に合成した香り成分をアルコールに溶かした香料。

加熱調理をしない冷たいお菓子やソースの香り付けに使用します。

( Vanilla Essence )

市販されているものの大半は揮発性があるため、パンづくりや加熱調理をするものには使用しません。

バニラオイル

バニラビーンズから抽出、または化学的に合成した香り成分を主体とした油溶性の香料。

パンづくりなど加熱調理をするものの香り付けに使用します。

( Vanilla Oil )

エッセンスと違い、熱に強い成分なので、加熱調理するものに使用します。

リキュール

蒸留酒に果物、ハーブ、スパイス、根、草類などの香り成分、甘味料などを加えた混成酒の一種。香味成分の主原料により、様々なタイプがあります。

( Liqueur )

パンやお菓子の風味付けに加えるリキュールは、一緒に加えるフルーツやナッツとの相性で選ぶと香りがいっそう引き立ちます。

例えばクランベリーやブルーベリーならキルシュ、マーマレードやチョコレートとグランマルニエもよく合います。

シロップ*に、少量のリキュールを加えたものを焼きたてのケーキやマフィンに塗ると、しっとりと口当たりのよい仕上がりになります。

砂糖50gと水50mlを小鍋に入れて砂糖が溶けるまで火にかければシロップの出来上がり。火からおろしてから、好みのリキュールを50ml入れて冷まします。

ラム酒

サトウキビに含まれる糖蜜を発酵、蒸留して作る蒸留酒。

アルコール度数は 40〜50% 以上あり、無色のホワイトラム、褐色のダークラムなどの種類があります。

( Rum )

レーズンとの相性がよく、フルーツケーキやシュトレンなどに混ぜるレーズンなどのドライフルーツは、一晩 ( または1年でも ) ダークラムに浸して戻すと香りよく仕上がります。

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